ジャパニーズデザインへのリスペクト
日本は自然への深い敬意と畏敬の念で世界的に有名です。その自然環境は長きにわたり芸術と建築を通じて日本文化に影響を与えてきました。

ピカード・チルトンの日本での姿勢は、日本文化を理解し敬意を表する建物をデザインする、ということに深い配慮をおいています。各プロジェクトのデザインアプローチに不可欠な要素として、エレガントなデザイン造形、素材の選択や場の創造などを通して、豊かな文化を伝える機会を考慮したデザインプロセスに細心の注意を払います。

日本列島を高輪ゲートウェイシティに例えたダイアグラム

アーキペラゴ/列島

日本は島々の集まった列島であり、大小を問わず6,000を超える島々が連なり、信じられないほどの多様性と、スケールや文化、生態の幅を持っています。大きなものから小さなものまで、南の熱帯から北の北方林まで、この複雑な島々のつながりが、日本のグローバルなアイデンティティを生み出しました。

マスタープラン図面

高輪ゲートウェイシティプロジェクトでは、マスタープランで計画されたそれぞれの街区は、日本列島になぞらえられ、多様な島々のつながりが日本を作ったように、JR東日本の開発における要素である、各街区、各建物、各プログラムのつながりが、多様な用途とプログラムが融合する品川アーキペラゴを生み出し、その空間が「交通と情報通信、環境、そしてジャパンバリュー」を世界に発信するグローバルゲートウェイとなるというJR東日本のビジョンを具現化します。

内部空間と外部空間の融合

ロビーは、屋内と屋外の境界を結び合わせる、オープンで魅力的なパブリックスペースです。 縁側は伝統的な日本建築の内と外を繋ぐ多用途の中間領域空間ですが、 高輪ゲートウェイシティプロジェクトでは、この中間領域空間をロビー前に取り入れ、内と外の人の流れが促進され交じり合うようしました。

エンガワの例
©️ Lifang
エンガワの導入

立体的な流れ

流れるようなラインと幾重にも重なった十二単の着物は、高輪ゲートウェイシティの外装デザインにインスピレーションを与えました。幾重にも重なった歴史的な「十二単」の着物のように、このレイヤー効果は、多様で豊かなファサードを生み出すデザインの可能性を秘めています。その結果、マスタープランの中に計画される建物は一連の同一のタワーの連続ではない、派手ではありませんが、美しくダイナミックな建物の多様なセットのように感じられるよう創られました。

©️ Atchain
日本文化の一つである十二単からインスピレーションを得た建物外装デザイン

歴史との関係

東京ミッドタウン八重洲プロジェクトは、統合されたヒューマンスケールのアーバンコミュニティとして想定されており、オフィススペース、高級ホテル、商業施設などの低層部の上にある小学校、そして地下には他に類を見ないトランスポーテーションハブからなる300,000平方メートルの高層複合用途開発です。

240mの高さのタワーのファサードは緩やかに湾曲し、周囲の建物との微妙なコントラストを生み出しています。江戸時代の城の外側の濠として歴史ある外濠にちなみ、緩やかな曲線を持つタワーと低層部のフォルムは、かつて外濠を航行していた船の帆をイメージしています。

波打つ帆の木版画
グランルーフとの建物の関係
©️ Shigeo Ogawa
©️ Shigeo Ogawa
東京ミッドタウン八重洲の曲面ファサード外観

木による造形

ミッドタウン八重洲のメインオフィスロビーの壁は、日本の昔ながらの木の垣根を現代的に解釈してデザインされました。デザインは、東京ミッドタウン八重洲のロビーのヒューマンなスケールを反映し、その素材の温かみのある色調は、オープンで魅力的な文化の感覚を再認識させてくれます。

伝統的な木を編んだ壁
©️ Masaki Hamada
オフィスロビーのメインフィーチャーウォールのデザイン

浮世絵からのインスピレーション

ピカードチルトンの書籍「Art of Collaboration」の中でJR東日本の伊藤喜彦氏はこのように述べています。

「この計画地の場所、歴史、文化的重要性に対する建築家の感性は、マスタープランの基本計画の中に入っていた浮世絵に見事に表現されていました。彼らの、その地の文化を尊重するというこの姿勢はクライアントにとって忘れられない瞬間でした、、、(ピカード・チルトンは)いにしえの浮世絵を使って、彼らの歴史への理解を表現していました。それは、計画地の文化的歴史とそれをこれから使うべき人々とを結びつけ、このプロジェクトに対する私たちのビジョン、つまり計画地の歴史と海岸線の記憶を反映した建築コンセプトを創造したのです。彼らは過去をとらえ、私たちが望んでいた未来のビジョンを提供してくれました。」

品川 洲崎 江戸百景より83番(1857) 歌川広重
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